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マーケティング施策における面談成功率を試算することの重要性

マーケティング施策における面談成功率を試算することの重要性

マーケティングに関する本、ブログ、Youtubeなどの教材や、マーケティング支援会社の企業サイトや資料の中には、ほぼ100%「マーケティングファネル」が登場します。もちろん弊社サイトも例外ではなく、『デジタルマーケティング支援サービス』の紹介ページで「マーケティングファネル」の図を使っています。

この「マーケティングファネル」は自社から見た顧客との関係(フェーズ)を概念として理解するにあたって、非常にわかりやすい図となります。しかし現実世界においては図のようにフェーズ間で少しずつ小さくなるような綺麗な三角形や台形のようにはなりません。

そこで、今回は、各マーケティング施策における面談(アポ)獲得率を試算して、実際のところ、ファネル内のフェーズ間での減少率はどんなものなのか?というのをイメージしていただき、この参考値を持って自社でのデジタルマーケティング施策やオフライン施策を含めそれぞれの施策の優先順位を決める一つの判断材料として役立てていただければと思います。

なお、本記事はあくまでも数字感覚を持ってもらうことを目的としているため、成功率を比較的低く設定しています。自社の実績値がある場合は、それに置き換えて算出してみてください。

事前定義

マーケティングファネル定義

本記事内においてはBtoB営業組織を対象としているためマーケティングファネルを下図のように定義し、未認知~面談までを対象とします。

認知顧客の分類定義

また認知顧客に関しては下表に基づき3つに分類します。

分類説明
面談履歴無自社のSNSフォロー、メルマガ、過去に社員の誰かと名刺交換しているが現職社員と面談履歴は無い会社。
面談履歴有現職社員の面談履歴がある、または一定期間内に商談があったが失注、過去取引があった会社。
取引中現在取引中の会社。

その他前提

  • 施策によって正確な扱い単位はユーザや人などもありますが、数字感覚のイメージを目的としているため簡易的に社で統一しています。

未認知顧客における代表的な施策と面談成功率

施策例面談成功率イメージ参考母数
WEB広告(検索広告)0.04%※12500社に1社自社製品に関連するワードの月検索量
代表連絡先への電話営業0.50%200社に1社ターゲットリスト社数
展示会後の電話営業4.00%25社に1社1回の展示会での名刺獲得量

※1 click率2%,問い合わせ率2%で算出

ここでわかるように、WEB広告の場合一つとっても、未認知から認知(ページを開く)まで数%に絞られ、そこから興味には数%になりますので、冒頭に記載したように実際のファネル図は概念的なファネル図とは大分異なることがわかります。

施策を検討する際には、表にある参考母数をざっくりでも良いので把握し、期待値(例えば月当たり面談数、1回あたり面談数)を認識してから実施有無を検討するのが望ましいです。

認知-面談履歴無-顧客における代表的な施策と面談成功率

施策例面談成功率イメージ参考母数
SNS配信0.05%※22000社に1社フォロワー数
メールマーケティング0.10%※31000社に1社メールアドレス数
電話営業4.00%25社に1社名刺数

※1 開封率5%,問い合わせ率1%で算出 ※2 開封率10%, 問い合わせ率1%で算出

SNSを検討中または実施中の場合、例えば、目標2000社(人)にフォローしてもらうためにはどれくらいの社員の人的リソースをさけれるか?そして、「どれぐらいの達成」までに「要する想定期間」をどれくらいにするか?を検討する必要があります。コンサルティングをしていると一定数(それも比較的高い割合で)の顧客は、SNSは始めれば「すぐフォロワーがつく」と思っていたり、フォローしてくれれば「全員が記事配信を待ち望んでる」と思っていたりという錯覚をしてしまっているように感じられます。本記事には記載してませんがSNSやSEOも含めたコンテンツマーケティングと言われる施策は、成果が出るまでに相当な労力と時間を要します。そしてこの人的・時間的コストは十分条件ではなく、あくまでも必要条件であるということを自覚する必要があります。

認知-面談履歴有-顧客と取引中-顧客における代表的な施策と面談成功率

施策例面談成功率イメージ参考母数
掘り起こし連絡10%10社に1社過去商談、面談名刺数
クロス・アップセル紹介100%1社に1社取引先社数

現在取引が無くても、顧客との関係がよっぽど薄い・悪くない場合以外は話ぐらいは聞いてくれるでしょう。これらの活動は広い意味ではマーケティング施策ですが、組織的に定期的な顧客と直接的な接点を維持する仕組みを構築するためのSFAの活用と言う方がイメージしやすいかもしれません。

以上より、顧客のフェーズごとの代表的な施策例の面談成功率を記載ました。今回のようにざっくりと自社における期待値を試算するだけで、「ほかの会社もSNS始めてるから我々もやらないと」や「○○社の事例がよかったからうちもやるべき」という観点だけではなく、一歩踏み込んで、自社の商材、そして自社のリソース(顧客リスト、社員リソース)、費用(外注費・広告費)を加味してどの施策がもっとも効果的か? という観点を持ったうえで、施策実施の意思決定ができるようになり、そして施策の成功あるいは失敗の評価が可能になると考えています。

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