デジタルマーケを始めたばかりの組織がしがちな残念な問合せ管理の運用
『DX』という言葉が流行り始めてから数年が経過しました。BtoB営業においてもその流れに乗る形で、専任ないしは兼任でデジタルマーケティング担当のアサイン、またはデジタルマーケティングチームを作り始めた組織は少なくありません。
デジタルマーケティングの業務には、検索広告運用や動画配信などの様々な施策がありますが、『DX』『デジタル』という言葉を使うくらいなので、その効果測定のためにおそらくどの組織も必ず問合せ管理(リスト管理)は行っているでしょう。
ただ一方で、大変失礼ですがほとんどの会社では問合せ管理の運用をまともにできてないのが現状です。そのため、弊社がデジタルマーケティング人材を育成させていただく際は、基本的には、まずは問合せ管理の運用教育からさせていただいているのが現状です。
そこで今回は、問合せ管理のダメな運用についてご紹介します。運用改善の参考になればと思います。
前提
- 本記事での”残念”とは、『デジタル』にも関わらず、属人的または効果測定ができていないことを意味します。
- 本来は違うのですが、本記事においては、リード管理(見込連絡先)も問合せ管理と同義として考えてください。
- 本記事内ではEXCELやSFAなど問合せ管理の手段・テクニックに関しては触れず、問合せ管理そのものの在り方について記載します。
そもそも有効問合せの定義をしてない
組織として何をもって有効とするのか?を定義していないため、問合せを受けた人の判断で有効か無効かが変わってしまいます。それでは結果にばらつきが生じてしまい効果測定ができません。
業界、地域、資本金、職種など有効・無効の判断は”自社の顧客になりえるかどうか?”という基準を組織内で定義化することが問合せ管理の第一歩となります。
ポイントとしてこの定義づけの際にやってはいけないことは、問合せの内容に関する要素を含めないことです。後述のフォローと密接に関連するのですが、問合せ内容が単なる情報収集だったとしても、将来顧客になりえる属性であれば、いずれ結果(案件化)につながるかもしれません。有効有無はあくまでも問合せした人または会社の属性のみで定義づけしましょう。
案件化した問合せしかリスト化していない
有効問合せの定義と派生するのですが、多くの会社では、案件につながった問合せのみしかリストにまとめていません。理由としては、たいていの組織では案件管理(商談管理)は何かしらの方法で行っているため、その1案件としてしか見なしてないからだと考えられます。
これだと結果しかわからず、例えば、1か月で問合せは100件きて、そのうちの有効件数は30件、さらに案件化は5件など、案件化に至るまでどの部分で脱落しているか?がわかりません。そのためデジタルマーケ施策の改善のための検証ができません。
問合せの進捗管理をしていない
問合せが来たらメールをする、または電話でコンタクトをとるはずですが、メールは送りっぱなし、電話で一回かけてみて終わりにしてしまっている場合が非常に多くみられます。これは問合せをリスト化しその進捗管理をしてないことが原因なのですが、せっかく問合せをもらったのに、1度のコンタクトで反応がなければ放置というのは、あまりにももったいないと言えます。組織で「最低何回はコンタクトする」などの運用を決めて『○○っぱなし』をなくすことで機会損失を防ぐことができます。
また問合せの進捗管理でよくあるのが、問合せの一次受けした後、そのあと営業に引き継ぐような運用をされている場合、組織をまたぐとマーケ担当は引き継先の営業に状況を聞きづらく結果があやふやになることがよく起こります。営業に引き継ぐような運用をされている場合は、担当通しで進捗更新業務を任せるのではなく、営業責任者が週次の定例会議などで進捗を更新させるなどトップダウンで行うことをお勧めします。
長期フォローを行っていない
実際、問合せ管理を行ってみると、1,2年もすれば予想以上にリストがたまっています。ただ一方で、せっかく相手の連絡先がわかってるにもかかわらず、そのリストがただのデータの塊で終わってしまっている会社が多くみられます。
必ずしもメルマガなど定期的にコンテンツを作る必要はありませんので、新製品や、事例が出来たらバイネーム(〇〇社 ××様)で情報提供をしましょう。そのリストから引き合いを獲得できる可能性は十分あります。