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展示会やセミナーを実施する上で見落としがちな視点

展示会やセミナーを実施する上で見落としがちな視点

弊社では、SFAやデジタルマーケティングの運用・コンサルティング、マーケティング人材育成研修を提供しています。一方で、展示会やセミナーといったオフラインのマーケティング活動については、実務的な支援は行っておりません。ただ、それらの活動は弊社のサービスと密接に関わるため、付加価値としてアドバイスさせていただく機会があります。

本記事では、展示会やセミナーを実施する際に、多くの企業が見落としがちだが、実は重要なポイントを紹介します。今後の活動に役立てていただければ幸いです。なお、以降は展示会やセミナーを総称して「イベント」と表記します。

イベントの目標が決められてない

アドバイスのご依頼をいただく形として、「イベント終了後の報告会に参加し、フィードバックをもらえないか?」と声をかけられることがあります。

営業責任者の方は、イベントの振り返りを行い、次回に向けた改善策を出し合うことでイベントの効果を高める、または次回の継続実施の可否を判断するために報告会を設けています。

しかし実際のところ、報告を受けても「内容がふわっとしていて、正直よくわからない…」と感じることが少なくありません。その原因を、「自分は営業出身だからマーケティングの専門知識がなく、具体的な指摘ができないのでは?」と自己否定につなげ、モヤモヤしたままになってしまう——そんな背景から、協力のご依頼をいただくことが多いのです。

こうした背景から、実際に参加する報告会では、ほぼ確実にイベントの目標が明確に設定されていないことが共通しています。イベントの目的自体は、多くの場合「リード獲得」または「既存顧客のロイヤリティ向上(ファン化)」のいずれか、もしくは両方であり、それは暗黙の了解とされているため、あえて明示する必要性があまり意識されていません。しかし、例えば集客目標、リード獲得目標、案件化目標といった具体的な数値目標が設定されていないケースが非常に多いのです。

もちろん、報告の中には「○○人が参加しました」といったデータは含まれているのですが、目標がないために、その結果が成功だったのか?失敗だったのか?目標が高すぎたのか?低すぎたのか?などの比較ができないのです。

比較ができなければ、目標と実績のギャップに対する原因分析ができないため、報告内容は当日や事前準備の模様の写真、参加者の感想などに終始してしまい、報告会を行う本来の趣旨から外れてしまいます。これがモヤモヤの原因となるのです。つまり、マーケティングの知識や経験の有無は関係ありません。

ですから、イベントを実施する際は、最初は「エイヤッ」でいいので、企画段階で目標を決めるようにしましょう。目標が決められていれば、少なくとも報告内容に対するギャップの考察や、「目標を達成するための仕掛けを準備していたのか?」といった、より踏み込んだ議論が生まれます。

集客活動が企画段階で計画されていない

目標がないと、必然的に起こるのが、セミナーの集客に関するタスクが企画段階で検討されていないケースが非常に多いことです。

そのような会社では、毎回、営業責任者がセミナーの1週間ほど前になってから、思いついたように担当者へ集客数を確認し、「少ない」(これも目標がないため印象論)と判断します。そこで、体裁を保つために急いで、各営業メンバーが参加をお願いしやすい既存顧客へ連絡するという事態がよく起こります。しかし、既存顧客は会社にとって貴重な存在ではあるものの、新規顧客開拓という目的に対しては必ずしも適切ではありません。その結果、セミナーを実施すること自体が目的化してしまい、本来の意義が薄れてしまいます。こうした状況を防ぐためにも、企画段階でしっかりと検討することが重要です。

集客については、一般的にセミナーの目的によって有効な手段が異なりますので、ご参考いただければと思います。なお、現時点ではBtoBにおけるセミナー集客のためのSNS広告は、よほどの有名人が登壇しない限り、大きな効果は期待できないというのが現実的な見解です。

目的主となる集客方法
既存顧客の掘り起こしDM案内(メール、中国なら企業Wechat)、電話営業
接触済み未取引同上
特定セグメントの新規対象セグメントに顧客を持っている会社と共同開催(当然WinWinである必要がある)。コンサル系なら集客委託料。販社同士の共同会社なら既存顧客を案内
満遍なく新規業界サイト、イベントサイトなどへのバナー広告。優良メルマガの有償枠での案内

また展示会において”集客”は主催会社がやるので検討不要だと思うかもしれませんが、展示会での、”集客”とは、来場者がブースに入ってもらうための活動になりますので、ブース設計の段階で予算を見ながら集客のための仕掛け(目を引く看板、ノベルティ、そして集客に特化した当日のメンバー構成など)を同時に検討をすることをお勧めします。

イベント終了後のフォローが属人的になっている

現在の小学校でも言われてるのかわからないのですが、遠足の際に校長先生が「遠足は家に帰るまでが遠足です」と最後の言葉として言われるように、本来イベントは、その後のフォロー営業までがイベントであるべきです。

なぜならば、特に新規顧客獲得が目的のイベントであれば、イベントはあくまでも商談プロセスにおけるリード獲得という中間地点にすぎず、そのリードから案件を作り出すことがゴールだからです。

特に組織が大きくなると、イベント実施と実際の営業の部隊が分かれている場合が多いため、フォロー業務をイベント担当者に指示するだけでは、絶対に実現できません。

フォロー業務に関しては営業責任者が陣頭指揮をとってイベント後のリードのリストアップ、担当の割り振り、そしてリストのフォロー期限を決め、進捗を部を跨いで実施するようにしましょう。


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