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案件を出揃わせるための運用方法紹介

案件を出揃わせるための運用方法紹介

以前、「案件情報鮮度を保つための運用方法のご紹介」で案件の情報鮮度を保つための運用方法をご紹介しました。その記事をご覧いただいた方から、「既に登録してある案件を最新化することに関して参考になった。しかし、営業人が、それなりに進展した状態にならないと案件登録してくれず、全体像が把握できない。そのため、案件を登録させる運用事例を紹介してほしい」とのご要望をいただきました。今回は、案件を出揃わせるための運用事例を紹介します。

方法① 案件登録数を評価に入れる

本方法は、案件登録数を集計し、それを評価に反映するという方法です。良い評価を得るために、営業人が登録してくれる可能性が高まります。始めやすく、わかりやすいというメリットはありますが、マネージャーがしっかり案件の中身を確認し選別をしていかないと、評価のために案件数の「かさ増し」をするメンバーが必ず一定以上発生するため、評価制度自体が形骸化するリスクがあります。

方法② 商談報告(日報)に必ず案件を紐づけさせる

本方法は、システムで商談報告(日報)を登録する際に、必ず案件と紐付けさせる方法です。商談報告を書くことが習慣化しており、商談報告の内容を重視しているような組織で、よく共感される方法です。ここで敢えて“採用”と書かず“共感”と表現したのは、特定の条件を満たしている組織でないと本方法は論理破綻するためです。その条件とは、既存顧客中心または、PULL型の営業が中心の営業組織であることです。なぜならこのようなスタイルの営業組織は、商談がほぼほぼ100%案件につながるため、本方法が利用可能になります。一方で、新規のPUSH型の営業が中心の場合は、ほとんど案件につながらない商談となるため、本方法を採用しない方が良いでしょう。SFAの中には、仕様上必ず商談報告と案件を紐づかせる必要がある製品も存在します。そのようなSFAだと、結局上記の条件を満たさない組織では論理破綻してしまいます。以前ある営業組織にて、商談報告に「一般対応」といった仮想案件を紐づけさせるという本末転倒な運用を見たことがあります。結局、どの商談も「一般対応」に紐付けられてしまい、案件が登録されていませんでした。

方法③ ある程度割り切って、一定粗利額以上の案件のみを管理する

本方法は、一定粗利以上の案件のみ登録するという方法です。経営インパクトが大きい、粗利額の多い案件だけはしっかりフォローする体制を作ることを目的とする際によく採用される方法です。わかりやすいですし、営業人から見ても負荷が小さく、比較的定着しやすいことがメリットです。しかし、この運用が定着してしまうと、取引開始時は少額な案件だが、しっかりとフォローしていけば取引額が大きくなるようなポテンシャルのある顧客を軽視してしまうリスクが発生するため、あくまでもSFAに慣れてもらうという立ち上げ期間だけ採用するのが良いかもしれません。

方法④ マイルストーン業務をシステム運用し連動させる

マイルストーン業務とは、営業プロセスの中で、比較的営業初期段階で必ず行う業務を表します。筆者の経験上、「見積書提出」、「開発へのプリセールス支援依頼」、「サンプル発送」のいずれかに集約されます。これらの業務をシステム化し、その業務をするために案件との紐づけを必須にさせることで、必然的に案件が登録されるようになります。また、見積もりであれば、承認フローを実現することで内部統制にもつながりますし、他部署とのやり取り業務なら業務効率化にもつながるという相乗効果が得られる方法です。

筆者はお客様のSFAの運用状況と筆者自身のお客様の業務理解を深めながら、タイミングを見て必ずこの運用方法を提案しています。

本方法は、実現できれば非常にメリットが得られるのですが、利用中のSFAがそもそもそれらの機能実装を拡張できない、もしくは拡張できたとしても多額の改修費用が発生することや、他部署を巻き込み社内調整をしながら実現する必要があることから、上述の3つの方法に比べると採用の敷居が高くなってしまうというデメリットがあります。

以上今回は、案件を出揃わせる運用方法を4つ紹介させていただきました。個人的には方法①~③を採用しながら方法④を目指すような中期的な視点で取り組んでいただくことが結果的にSFAを成功させることではないかと考えております。

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