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SFA導入失敗あるある「項目多すぎ問題」

SFA導入失敗あるある「項目多すぎ問題」

今回はSFA仕切り直しのお手伝い時に現行のSFAを拝見すると、非常によく見られるのが「入力項目が多すぎ問題」です。こちらについて私なりの見解を記載いたします。

「SFA 失敗事例」などで検索して出てくるような記事では、ほぼ必ずと言っていいほど「項目が多すぎ問題」が登場します。そのような記事の中には、「関係者間でしっかりと検討しましょう」そういった非常にザックリとした解決策を提示されていますが、おそらく、多くの会社では、関係者間でしっかりと検討したのにもかかわらず、項目が増殖しているという状況になっていると予想されます。なので、本記事では、増殖しがちな項目のパターン分けをしてみましたので、項目追加の話になったときに「これはもしかしたら○○パターンかな?」とアンテナを立てていただき、関係者間での検討ポイントとして役に立てていただければと思います。

類似項目

例えば、案件動向を把握する目的で、家電、自動車、携帯電話など、販売する原料を使った最終製品の分類(案件セグメントと名付けます)が元々項目として存在している状態で、マーケティング部が、目的としては同じですが、欲しい選択肢を若干異なる(家電、自動車、EV、携帯電話など)分け方で動向を把握したいとか、海外事業推進部などの要求から全社共通で英語表記でのセグメントが必要となる状況が発生します。

第三者から見ると、営業部もマーケティング部も海外事業推進部も会社として把握すべき観点を揃えて案件セグメントを見直せばよいと考えると思いますが、現実の世界では、部署間調整が非常に大変(面倒)なため、部門間で波風を立てないためにセグメント、セグメント(マーケ用)、セグメント(全社共通用)など、3つの項目を用意するという会社は少なくありません。

そうなると、全ての負担は営業の方に行ってしまうため入力漏れ・ミス・面倒なので適当な値にするという確率が当然上がります。結果的に3つのセグメント項目すべてが制度の低いデータになってしまうという事が往々にして起こります。

このような場合は、単純ではありますが、下記のことを実施する必要があります。

  • 部門間調整という産みの苦しみに逃げずに、基本的には会社としてセグメントは1つに統一する
  • 英語の場合は対比表をつくり、現地言語で入れたら自動で英語セグメントを選択する

利用期間の決まった項目

「〇年は環境対策案件」「×年は競合からの切り替え案件」などの注力案件かどうか?のフラグ(Y/N)を用意するような場合です。その項目の寿命は過ぎているのに、もしかしたら今後何かで使うかもしれないという理由でその項目を削除せずに放置し、経過年数が過ぎると過去の注力フラグがどんどん増えてるということが起こり得ます。

注力という表現通り、その年度においては重要な情報なので必須項目にしてそのまま放置し、営業の方は毎回選択操作が増えて手間が増えることで他の案件の項目も適当に入力するようになってしまいます。

目的を果たした項目はCSVなどで退避して、削除または一歩譲って非表示にして項目数±0になるように心がけましょう。

情報収集までに時間を要する情報の項目

こちらは、会社マスタなどで良くあるのですが、社内組織情報、○○契約締結済など、会社マスタに登録する時点で、収集が困難な内部情報を項目として多く追加する場合があります。

一般的に会社マスタは登録したらほとんどの場合、営業の人は自発的に情報を変更することは無いので、顧客との関係ができ、項目化している内部情報がわかったとしても、会社マスタのデータ上は”不明”のままであること、そして契約の締結の承認にフローは別のシステムで運用していたため、契約が締結しても、会社マスタ上は、そのまま”未締結”のままの可能性が非常に高いです。

情報収集が困難な情報に関しては、その重要度を再吟味して必要最低限の項目に絞り、本当に重要な項目は半年に1回など、関係者全員でデータメンテナンス時間を設けて最新化するという運用実施をお勧めします。それができないなら、いっそのこと項目を諦める方が営業の方の負担減になります。

最初から最後まで任意の項目

よく見るのが、一つ目は競合情報の選択肢です。それ自体の項目が必要なのですが、当然、競合がいない案件もありますし、最後まで不明の案件もあるということで任意入力にしている場合が非常に多いです。多くの方がそうですが、毎日使っていると入力が任意である場合、競合情報がわかっても入力しない人は必ず存在します。残念ながら入力しない人の方が多数派です。

二つ目は、提案先の窓口情報です。メーカー営業だとあるのが代理店経由の案件だと、当然、提案先の窓口が非公開になっていることが往々にして起こりえます。そのため任意の項目にしているのですが、それだと直販案件でも入力の手間を省くため未入力のレコードがどんどん増えることになります。

以上より、基本的に案件管理は条件により入力必須になる項目のみを扱うべきだと個人的には考えています。競合情報は商談進捗が「比較検討中」の場合、競合選択、その選択肢の中には”無”、”不明”含める。それ以前の進捗では、”無”,”不明”選択は不可にする。提案先窓口に関しては、直販かつ商談進捗が「見積」のタイミングで必須、などをするのが望ましいです。

もし最初から最後まで任意の情報がどうしても必要な場合は、備考欄に記載するという運用にして項目をむやみに増やさないことをお勧めします。

項目追加時には過去データの洗い替えの必要性の検討も忘れてはならない

最後に共通して言えることは、項目を増やすと同時に、過去データの洗い出しも必要です。例えば、「提案中及び直近何か月前の受注、失注データを追加した項目の入力しなおし」などのことを行っていただくことをお勧めします。

せっかく項目を追加しても数か月後にデータが溜まってからでないとそれを活用できないため、その情報を活用できないと判断され、また数年たつと類似項目の必要性の検討が起こり、悪循環を生む可能性があります。

「入力項目多すぎ問題」は、SFAの失敗を回避するためにも継続的に取り組むべき課題ですので、本記事が少しでも参考になれば幸いです。

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