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SFA導入失敗あるある「メール地獄解消のはずが逆に悪化してしまった」

SFA導入あるある「メール地獄解消のはずが逆に悪化してしまった」

今回は、「SFA導入失敗あるある」について投稿します。このテーマを選んだ理由は、お客様より「導入したSFA(営業管理システム)を活用できていない」という相談が寄せられる機会が増えているからです。その際にお客様からお話をうかがっていると、活用できていない要因が大体パターン化されている(以下「失敗パターン」と表現)ことがわかってきました。この失敗のパターンに関してはまだ分析・調査中ですが、今後わかってきたことを順次投稿していきます。今回は、その中の1つをご紹介します。

商談報告メールをシステムに置き換えただけ

これは、筆者がこれまでに見てきた中で最も一般的なパターンです。

商談報告(組織によっては日報と呼ばれることもあります)をメールで共有していたことにから、以下の3つの課題が浮き彫りになり、商談報告をシステム化した営業組織がこのパターンに当てはまります。

  • 課題① CC地獄で何を見ればよいのか分からない
  • 課題② 後で検索しにくい
  • 課題③ 引き継ぎ時に情報が欠落している

商談報告のシステム化を検討する営業組織の特徴は2つあります。まず1つ目は、経営責任者が営業責任者でもあることであり、2つ目は営業人数が10人以下であることです。

このような場合、経営責任者は営業以外の仕事も多忙にこなしながら、営業活動の指導も行っています。そのため、多くの情報がメールボックスの中で埋もれてしまうというストレスを感じている中で、「月額数万円で解決できるなら…」という理由で導入を決定される場合が多いです。

通知メールが増え、商談も見落とされる

しかしながら、このようなケースでは、商談報告をシステム化しても、他の業務は依然としてメールのままであることが多いです。そして、結果的に経営責任者の多くは、システム導入後も大半の業務をメールで行い、自らシステムにログインして情報を参照するという習慣が身につきにくいです。現在、多くのSFAでは、そういった状況に対応するためにメールやスマートフォンでの通知機能が実装されていますが、これが文明の落とし穴となり得ます。なぜなら、システムからの通知メールを受け取ることで、実際にはメールの量が増えてしまうことがあるためです。これにより、上述の課題①そのものが解決できなくなります。

“せっかくお金をかけて導入したから”という理由で、導入当初は、確認・返信には取り組むものの、時間が経つにつれてその目的を忘れがちになります。また、通知が邪魔だと感じる場合は、通知上限を設定することで対処できます。例えば、商談報告での「重要フラグが立っているものだけ通知」という設定に変更して、通知を減らすことで当面のストレスを軽減します。しかし、その後重要フラグが立っていない商談についてはどうなるのでしょうか?ここで、課題②を解決することができる(システム導入の利点でもある)「いつでも遡って見ることができる」という機能が逆効果となり、「時間ができたらまとめて確認しよう」と非重要商談の確認を後回しにし、確認頻度や返信が減少してしまうことがあります。

反応がないとどうなる?営業メンバーの対応

例外はあるかもしれませんが、基本的に人は自分の行動に対する反応を期待します(例えば「いいね!」や褒め言葉など)。つまり、営業メンバーは、上司が見てフィードバックをしてくれることを期待しています。しかし、その反応が遅かったり少なかったりすると、営業担当者のモチベーションが低下し、記載内容に手を抜くことが始まります。この状況下で、最終的には課題③が発生し、退職や体制変更により営業担当者が交代した際に、システムに有用な情報が残っていないという問題が浮かび上がります。

10人程度の組織であれば、1ユーザーあたり月額2,000円程度の負担は1ヶ月につき約2万円になります。そのため、経営への大きな影響は限られます。このことから、データの消失リスクを考慮しても、何となくシステムを続ける営業組織が多いのです。

このような失敗を避けるための対策については、今後改めて投稿していきます。

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